<ごっちゃんです!東京のご当所力士>優力勝(三段目)
大相撲では「江戸の大関より、故郷(くに)の三段目」と言われます。大阪、名古屋、九州の各場所では、郷土の力士が「ご当所」として特にひいきにされるのは、よく知られたところ。でも、東京では年3回も開かれるのに、力士自身も地元開催という感じがあまりしないとか。そこで東京出身で、かつ普段はなかなかメディアに登場しない幕下以下のお相撲さんを随時、紹介していきます。
得意の突き、押しの形で写真に収まる優力勝
【ご当所の大相撲秋場所で、昇進へ弾みを—。東京都立川市出身の優力勝(ゆりきしょう、23歳)=常盤山部屋=は、昨年に負ったけがを乗り越え、4場所ぶりの三段目となる西90枚目まで番付を戻して今場所を迎えた。初日に早くも白星を挙げ、幸先よく発進した】
優力勝ごっちゃんです!優力勝と書いて、「ゆりきしょう」です。「優勝」に絡めたしこ名に思われがちですが、本名が「優力(ゆりき)」なんです。けががちだった3年ほど前に「勝」を加え、心機一転しました。なのに、昨年九州場所前の稽古で左足小指を疲労骨折してしまって…。そこから3場所全休し、今年夏場所でようやく復帰できました。
【東京西部の街、立川で生まれ育った。地元の有名な道場「立川練成館」で、小学3年から相撲を始めた】
優力勝父から「相撲をやった方がいい」と勧められました。兄や姉は柔道をやっていたんですが、当時体重が60〜70キロと大柄だったので。ちなみに、7人きょうだいの大家族で、自分は下から2番目の三男です。
秋場所4日目滑翔(左)と対戦する優力勝=9月11日、東京・両国国技館で
【小学生から腕を磨き、中学卒業後に角界入り。いわゆる「中卒たたき上げ」だ】
優力勝小学生のころ立川練成館に、立川出身力士で既に引退していた栃の山さんが指導に来ていたんです。それで、栃の山さんが所属していた千賀ノ浦部屋(現常盤山部屋)を選びました。
【立川という縁で導かれた大相撲への道。だからこそ故郷、そして家族への思いも強い】
優力勝両親は居酒屋を経営しています。その名も、ずばり「力士」。自分が地元で相撲を始めたのをきっかけに、今の店名に変えたそうです。名物はチキンカツサンド。自分は「力士サンド」と呼んでいます。鳥は二本足だから手をつかないので、相撲では縁起が良い食材。サンドの大きさも「力士〜」にふさわしく、でっかくてボリューム満点。部屋の師匠にも好評でした。最寄り駅は「西国立」なので、ぜひお立ち寄りを。
【秋に加えて初、夏の3場所も東京開催ながら、ご当所感はあまりないという。そこには、立川を含めた東京の市町村部に住む人ならではの事情があるという】
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