太平洋戦争末期に大学生らを戦地に駆り出した「学徒出陣」の壮行会から81年となった21日、東京都新宿区の国立競技場敷地内にある碑「出陣学徒壮行の地」前で犠牲者を追悼する式典が営まれた。遺族ら約20人が参列し、黙とうと献花で悼んだ。
「出陣学徒壮行の地」碑前であいさつする早稲田大学出陣学徒の会・杉浦利重会長=21日、東京都新宿区で(市川和宏撮影)
練馬区の杉浦利重さん(75)は、学徒出陣でスマトラ島に出征した叔父を亡くした。杉浦さんはあいさつで、戦時中のスローガン「1億玉砕」を引き合いに、特に若い人に伝えたいとして「国民がいなくなったら国は機能しなくなる。かっこいい言葉にくみすることなく、自分の考えをしっかり持って時代を生きてほしい」と強調した。
元学徒兵は高齢になり、今年も参列した人はいなかった。杉並区の玉川博己さん(76)は「子どもや孫の世代に事実を語り継いでいくことが大切だ」と話した。
太平洋戦争中の1943年10月21日、国主催の壮行会が明治神宮外苑競技場(現国立競技場)で開かれた。碑は、学徒出陣から50年の1993年に遺族有志らが建立。平和の大切さを伝えようと、原則毎年10月21日に追悼式典を営んでいる。(服部展和)
「出陣学徒壮行の地」碑前で記念撮影する参列者=21日、東京都新宿区で(市川和宏撮影)
【関連記事】「これはもう、死ぬしかないのだな」学徒出陣から80年生きて帰った100歳超の元学徒兵たちの体験
【関連記事】戦後生まれはどう描く?「空襲」のリアル体験者が減る中、証言や資料で継承する難しさと意義
免責事項:この記事は他のメディアから複製されています。転載の目的は、より多くの情報を伝えることです。このウェブサイトがその見解に同意し、その信頼性に責任があることを意味するものではなく、法的責任を負いません。 このサイトのすべてのリソースはインターネット上で収集されます共有の目的は、すべての人の学習と参照のみです。著作権または知的財産権の侵害がある場合は、メッセージを残してください。