火山が噴火して人が近づけないときドローンで状況を調べられないか──。伊豆大島・三原山の火口周辺にドローンを飛ばして地表の温度などを調べる実証実験が行われた。現地を訪れ、その様子を追った。(永井理)

(左)飛び立ったドローンから送られてくる動画を確認する実験チームのメンバーら=東京都大島町元町のジオノスで(右)三原山の火口に向けて溶岩地帯を飛ぶドローン=伊豆大島外輪山展望台で
伊豆大島のカルデラを見晴らす三原山中腹の展望台。段ボール箱ほどのドローン格納庫(ポート)が開くと、機体がヒューンと音をたてて10メートルほど上昇した。空中にしばらく静止すると、さらに高度を上げ、ススキの穂が揺れる溶岩地帯を横切って火口の方角へ消えた。
10月29、30日にあった実験は、火山災害をリアルタイムに把握する手法を開発する文部科学省のプロジェクトの一環。噴火の正確な場所や激しさを素早く捉えれば、先行きの判断に役立つ。取り残された人がいないか確認もできる。

三原山の火口に向けて溶岩地帯を飛ぶドローン=伊豆大島外輪山展望台で
ドローンはプロペラを含め幅約60センチ、長さ約50センチの小型機で、動画を送ってくる。飛行から数分後に火口周辺が映し出された。赤外線映像に切り替えると温度の高い場所が赤く示された。実験チームの1人がモニターを指さす。「噴気のところが赤いね」。立ち上るわずかな水蒸気も捉えた。期待以上の画像にメンバーらの表情が和らいだ。

ドローンのカメラが捉えた三原山の火口周辺。急斜面から白い噴気が立ち上っていた(点線内)=アジア航測提供
ドローンは設定したコースを飛んで30分ほどでポートに着陸した。必要に応じてパソコンから携帯電話回線を通じて操作するが、基本は自動飛行だ。
夜間飛行も試みた。その様子は地元関係者に公開され、伊豆大島ミュージアム「ジオノス」に約20人が集まった。会場のパソコンからの指令で、約2キロ離れた外輪山展望台のポートからドローンが飛び立った。
赤外線カメラがゆ...
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