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〈ひと ゆめ みらい〉家業を磨き改革進める 靴クリーム会社5代目社長・谷口弘武(たにぐち・ひろむ)さん(37)=墨田区

2026-05-25 HaiPress

日本最古の靴クリームメーカー「谷口化学工業所」の5代目。同社は、革靴好きの間では「ライオン靴クリーム本舗」のブランド名で知られている。

東京都台東区出身。創業家に生まれた。子どもの頃から工場に出入りして遊び回り、家業には親しみがあった。

大学卒業後はIT企業に就職。営業として製造業を担当した。日本のものづくりが社会を支えていることを改めて学び、家業を継ぐ決意をした。

2017年に入社。当時は3代目で88歳の祖父が経営していた。ふたを開けてみると、昭和的な社風で財務的にもかなり厳しい状態。就業規則もボーナスも、会社のホームページすらなかった。「時代から取り残されていた。斜陽産業とは分かっていたが『いつつぶれてもおかしくない』とショックだった」

祖父や4代目の父は、「良い商品を作ればうまくいく。我慢すればいつか光が差す」という考えだった。だが「良い商品を作るのは大前提。ニーズに応えて、自社の魅力をPRしないと倒産する」と訴えた。その度に父とはぶつかり、けんかになった。

21年4月、社長に就任。次々と社内改革を進め、IT技術を導入していった。だが現場からの評判は芳しくなかった。陰では「何をやりたいんだか分からない」とも言われた。長く会社を支えてきた職人からは「弘武くんのみこしを担ぐ人は誰もいないよ」と突き放された。

だが、心は折れなかった。その理由を「家業だから。自分が折れたらその時点で全てが終わる。...

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