住宅密集地などでのデータセンター(DC)建設に反発する首都圏の地域住民らが連携を強化している。事業者側との「紛争状態」が深まる一方、住民らは政府への要請活動などに積極的に取り組む。米国では、州知事が大規模施設の建設許可凍結を命じるなど、DCの立地のあり方が社会問題として扱われ始めている。日本でも法規制などの対策が必要ではないのか。(中根政人)
「残念ながら、住民側の心情を理解して、良好な関係を構築しようとする姿勢は感じられない」
三井不動産が、東京都日野市の日野自動車工場跡地に計画するDC。これに抗議する市民団体「巨大データセンターから住民の暮らしと環境を守る市民の会」が8日に市内で開いた住民向けの説明会で、共同代表の山崎康夫さん(69)は、依然として説明責任を十分に果たそうとしない同社の対応にいら立ちを見せた。

住民向けの説明会で、三井不動産との協議の内容などを報告する山崎康夫さん(中)=8日、東京都日野市で
同社のDCは、一戸建て住宅が立ち並ぶ地域に隣接する。3棟が建設される予定で、最大電力需要が250メガワットと試算される巨大施設だ。一方で、建物の高さに関しては、同社が最高72メートルから63.5メートルに引き下げ、延べ床面積も16万3360平方メートルから13万9800平方メートルに縮小するとしている。
市民の会は、日野自動車工場の高さが30メートル未満だったことを挙げ、住環境の悪化を不安視。施設からの排熱による気温上昇や低周波音の発生などを強く懸念する。
7月24日には、三井不動産と住民側の協議の場が設けられたものの、同社から排熱や騒音などの想定に関するデータの開示はなかったという。山崎さんは「なぜ住居の近くにDCを持ってこようとするのか。今後も真摯(しんし)な協議を求めていく」と言葉に力を込めた。
主に首都圏で需要が加速度的に高まるDCを巡っては、東京都では江東区や日野市、昭島市、小平市、千葉県印西市やさいたま市北区などの住民らが連帯して、住宅密集地や商業地などへの立地に猛反発している。
住民らが問いかけるのは、DCの環境面への影響のみならず、まちづくりや都市計画との「不調和」だ。建築基準法にDCの定義はなく、用途を「事務所」や「その他(データセンター)」と分類すれば、区域を問わず建設が可能で、無秩序な計画策定や住民との紛争の要因となっている。

千葉ニュータウン中央駅北口のDC建設予定地=7月26日、千葉県印西市で
印西市の北総鉄道北総線・千葉ニュータウン中央駅北口でのDC建設に反対する住民運動団体「タウンセンター地区の活用について考える会」は7月26日から、他地域の住民と同時に、建築基準法でのDCの位置付けを明確化するよう求める署名活動を開始した。代表の武田淳一さん(40)は「こうした活動の存在をしっかりと伝えていく」と意義を強調する。
DCの立地のあり方を問題視する動きは海外で先行し、行政が実効的な措置に踏み切った...
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