〈密着マーク・町田〉総括2025②
サッカーJ1のFC町田ゼルビアは今季、天皇杯で優勝してクラブ初となる主要タイトルを獲得した。一方、リーグ戦はまたも宿敵に阻まれ、目標を一つ下回る6位。相次ぐけが人にも悩まされた一年を、黒田剛監督の象徴的な言葉とともに振り返る。(加藤健太)=全3回
①望月ヘンリー海輝のセンターバック起用が初タイトルを呼び込んだ町田ゼルビア黒田剛監督の葛藤と「勝負手」
②天敵・広島の壁を超えられなかった町田ゼルビア「同等まで来た」黒田剛監督が見据える来季へのポイントは(この記事)
③黒田剛監督が悩んだ「ハリネズミのジレンマ」主力のけがに苦しんだ町田ゼルビア「常勝チーム」になるには
またも壁を越えられなかった。FC町田ゼルビアは今季、サンフレッチェ広島に2戦2敗。同じ相手に2度負ける「シーズンダブル」を唯一、食らい、開幕前からライバル視した強豪に2年連続で屈した。

今季のサンフレッチェ広島戦を振り返るFC町田ゼルビアの黒田剛監督=4日、町田市で
リーグ最終戦を迎えようとしていた12月上旬。町田の黒田剛監督は、今季の総括として広島に勝てなかったことを問われると、強がった。
「負けた感じのしない敗戦にはなった」
最初の対戦は2月。一年の行方を占う開幕カードだった。
主将の昌子源が「広島が今年も強いのは明らか。でも彼らを直接倒さないと上にはいけない」と語ったように、相当な意気込みでぶつかった。
前半26分、相馬勇紀がスピードに乗ったドリブルから左足で先制ゴールを決め、先手を取った。指揮官が「ほぼパーフェクト」とたたえた試合運びで前半を終え、ハーフタイムの場内は新チームへの期待感が漂った。

町田ー広島後半、負傷し表情をゆがめるFC町田ゼルビアの菊池流帆=2月16日、町田GIONスタジアムで(芹沢純生撮影)
だが、視界良好に見えた船出は思わぬ形で座礁した。
後半開始早々に、菊池流帆が右太ももを痛めて交代。すでに岡村大八もけがでピッチを去っており、先発した3人のセンターバックのうち2人が退くアクシデントに見舞われた。
空中戦に強い2人を欠いて放り込まれたボールをはじき返せなくなり、2失点して逆転負け。残ったセンターバックの昌子は「彼らがいなくなって急にはまらなくなった」と顔をしかめた。
2度目の対戦は優勝争いの瀬戸際に立たされていた10月だった。首位と勝ち点9差。選手からは「ここで負けたら優勝はない」と悲壮な決意が聞かれた。
くしくも、広島とは勝ち点、勝敗数、得失点差がぴたりと重なっていた。生き残りを...
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