東京都杉並区長選は29日開票され、現職の岸本聡子さん(51)が、元職や新人との無所属4人による争いを制し、再選した。当日有権者数は47万8530人で、投票率は42.54%で前回選より5.02ポイント上がった。(佐藤航)

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リベラル系野党の自主的な支援を受ける岸本さんと、自民党推薦の元区議・大和田伸さん(45)の「与野党対決」に、元区長の田中良さん(65)と国際ビジネスコンサルタント増田義彦さん(68)が絡む構図が注目を集めた。
岸本さんはリベラル首長としての全国的な知名度を生かし、区立学校の給食無償化や児童館維持、財政健全化などの実績もアピールして支持を伸ばした。
自民は首相経験者や閣僚が応援に入り、大和田さんを全面的に支援したが、知名度不足も響いて及ばなかった。都内では3月の清瀬市長選、4月の練馬区長選に続く推薦候補の敗北となり、来年に控える統一地方選に不安を残す形となった。
【確定得票数】
岸本聡子氏10万6487票
大和田伸氏4万6250票
田中良氏3万3259票
増田義彦氏1万5877票
◇◇
東京都杉並区長選は、自民党が全面的にバックアップした大和田さんや、区内で高い知名度を持つ元区長の田中さんの挑戦を退け、現職の岸本さんが再選を果たした。1期目の実績に加え、民主主義や地方自治の理想を率直に追い求める政治姿勢、しがらみのなさなどが評価されたとみられる。(佐藤航)
平和や環境、貧困などの問題でリベラル色を前面に出し、「安心して暮らし続けられる杉並」を掲げた。区民の声を政策に反映させる「対話の区政」の継続も主張。対立候補から「対話の相手が偏っている」と批判を受けたが、「対話はより良く決めるための民主主義の手法だ」と訴えた。
選挙戦では、交流サイト(SNS)上の真偽不明の情報や広告戦略が大きく影響する近年の選挙のあり方にも一石を投じた。「資金力とアルゴリズムに左右される選挙を変えたい」と宣言し、自民が活用するユーチューブなどの有料広告を一切使わなかった。

支援者たちの「批判合戦」が過熱
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区内の市民グループに請われて前回選に挑むまでは、欧州の非政府組織(NGO)で公共政策を研究しており、政治経験は一切なかった。「区民目線」の区政は一定の評価を受けたが、2期目の道のりは決して平たんではない。
選挙戦に入る直前には、区内を流れる善福寺川の治水を巡り、事業主体の都と反対派住民の間で板挟みになる場面も。話し合いで対立を乗り越える難しさに直面した。選挙戦で顕在化したリベラルと保守の分断も深い。自身とは立場の異なる区民も巻き込み、いかに対話の輪を広げていくか。政治家としての力量が問われる2期目になる。

岸本聡子さん(資料写真)
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